住宅ローン関連の費用について

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住宅ローンは多くの方は自宅を購入される際に利用されると思います。ローンに関連した費用には金利の他に住宅ローン保証料、保証事務手数料、団体信用生命保険料があり、通算で見たマイホーム費用の中で大きな割合を占めるため、組む時点で十分に検討しておく必要があります。

ローンの金利

住宅ローンの融資は金利によって全期間固定金利型、変動金利型、固定金利期間選択型の3種類に分類されます。

それぞれの金利にはメリットとデメリットがあり、個々の資金計画にあったローンを組むことが重要です。

全期間固定金利型

この金利は、通常は全返済期間にわたり金利が固定されているローンを指します。メリットは返済期間と金利が固定されているため、資金計画を立てやすい点です。返済期間中に金利が上昇した場合でも返済金額が変わることはなく、金利変動のリスクは貸手が負担する格好となります。デメリットはローン組成時に変動金利型に比べて割高な金利を要求される点です。現在の低金利が今後も続く場合は、ローンを払い終えた段階での総支払額は変動金利型に比べて多くなります。

変動金利型

この金利は、基準となる金利を参考に金利の見直しを年に2回行い、金利が変動していくローンです。メリットは何と言っても金利が低いことにあります。短期間の返済である場合や金利が低下していく局面では極めて有利です。デメリットは金利の変動による支払価格の上昇です。金利の急激な変動による支払額の急増を防ぐため、多くの貸手がこのローンに対して5年ルールと1.25倍ルールと呼ばれるルールを採用しています。5年ルールとは金利が変動しても5年間は返済額を変えないというもので、通常年2回の金利見直しがありますが、返済額は5年間は変えずに5年置きに返済額を見直しするというものです。また、1.25倍ルールとは、5年ごとの返済額の見直しの際に金利上昇する額をこれまでの返済額の1.25倍に制限するというルールです。これは急激な返済額上昇から借手を守るための仕組みといえますが、返済金額の上昇を元金返済額の割合を下げることで抑えるため、金利が上昇している間は元金返済が進まず、利息の過払いが生じやすい状況となります。変動金利型ローンの利用する場合は、金利が上昇した場合の対応策に関して、繰上げ返済して利息負担を減らすなどの対応を事前に考えておく必要があります。

固定金利期間選択型

固定金利期間選択型とは、一定期間金利が固定されている特約の付いた住宅ローンです。金利固定期間は2年~25年など商品により幅があります。固定期間が終了すると、その後は変動金利型や固定金利型を選択します。貸手によっては、変動金利型を選ぶとその後は固定金利型に変更できない場合があり、契約時に確認が必要です。全期間固定金利型と変動金利型を組み合わせた商品といえます。したがって、金利固定期間に応じて両商品のメリットとデメリットを受けることとなります。

結局のところローンの金利を選ぶときに重要なのは、金利の未来予測リスクへの備えです。現在の金利は歴史的水準からみても極めて低い状況にあります。これをチャンスとして変動金利型を選択するなら、金利上昇が訪れた場合に繰り上げ返済などの対応が出来る備えが必要となります。備えが少なく上乗せ分の金利を安定の対価として支払うと考えるのであれば、全期間固定金利型が最適となります。

ローンの貸し手

住宅ローンは貸手によって公的ローンと民間ローンに大別され、商品の内容や借手の条件に違いがあります。公的ローンの主なものには、財形住宅融資、自治体融資があり、民間ローンの主なものには銀行ローン、ノンバンクローン、フラット35などがあります。

それぞれの融資には固有の条件と金利が設定されており、条件にあった融資を選ぶ必要があります。

財形住宅融資

返済の開始から終了までの全期間、5年ごとに適用金利を見直す5年固定金利制のローンで、自分で所有及び居住するための住宅を建設・購入又はリフォームする、一般財形貯蓄・財形年金貯蓄・財形住宅貯蓄のいずれかを1年以上続け残高が50万円以上ある、勤務先から住宅手当・利子補給・社内融資などの援助が受けられる、などの条件を満たす場合に利用できます。融資上限は財形貯蓄残高の10倍までで金額では4,000万円までとなります。

自治体融資

都道府県や市区町村の役所が窓口になって行われる融資で、各自治体や関連公社が直接融資する場合、地方銀行や信用金庫などの地域の指定金融機関に紹介して間接的に融資する場合、金融機関から借りた口-ンに対して一定の利子援助を行う場合の3通りがあります。一定期間以上の融資を受ける地域に居住していることや、住民税の滞納がないことなどが融資の条件となり、所得制限や床面積の制限を設けている場合もあリます。自治体融資は、地域の事情に則して融資の形も様々ですが、一般に制度を利用できると金利面でかなり有利となることが多く、一度は居住地域の自治体の担当部署に確認して見るべきでしょう。

銀行ローン

民間の銀行等が貸し出しをしている住宅ローンです。商品の多様性に富むことが特徴で、貸手により貸出条件にも幅があります。

ノンバンクローン

上記の銀行や信用金庫などに該当しない、住宅ローン専門会社・信販会社・クレジット会社などのローンを指します。ハウスメーカーなどがモーゲージバンクを設立し、長期固定金利型のローンを提供している場合も、ノンバンクローンに該当します。

フラット35

住宅金融支援機構による住宅ローン債権の証券化の仕組みを利用した長期固定金利型のローンです。ローン提供者は金融機関からノンバンクまであり、金利は商品ごとにことなります。融資額は最大で物件価格の90%まで、金額で8,000万円までの融資が組めます。貸出条件として住宅金融支援機構が定めた住宅の技術基準をクリアする必要がありますが、保証料は不要であり繰上返済時の手数料も無料です。

ローンの返済方法

ローンの返済方法には、元利均等返済、元金均等返済、ボーナス併用返済、一部繰上返済があり、返済期間と借入金が同じでも、返済方法によって総支払額が異なるため注意が必要です。

元利均等返済

元利均等返済とは、元金と金利を合わせた金額をあらかじめ定めた期間で均等に返済していく返済方法を指します。ローンが固定金利型であれば、返済額は一定のまま返済終了まで支払います。変動金利型の場合は、金利に合わせて返済額は変動しますが、先述の5年ルールと1.25倍ルールを採用している場合は、5年間は一定で金利が上昇した場合でも支払い金額は1.25倍までしか上昇しません。

元利均等返済の支払利息と元金の計算式は下記の通りです。

  • 支払利息= 借入残高 × 金利 (年率) × (30日/365日)
  • 元金充当額 = 月額支払額 - 支払利息
  • 借入残高 = 当月借入金額 - (月額支払額 - 支払利息)

元利均等返済のメリットは返済額が一定で推移するため、返済計画を立てやすいことであり、デメリットとして返済は金利分から優先的に行われるため、元金の返済がゆっくりであり、その分金利返済が多くなることです。

元金均等返済

元金均等返済とは、元金を返済回数で割った金額を一定の元金返済額として借入残高に対して毎回の発生利息を加えた額を返済する方法を指します。

元金均等返済の支払利息と元金の計算式は下記の通りです。

  • 支払利息 = 借入残高 × 金利 (年率) × (30日/365日)
  • 借入残高 = 借入金額 - 毎月返済額

元金均等返済のメリットは元金が一定額ずつ返済されていくため、金利負担は段階的に減少して支払総額を押されられることです。デメリットは返済開始当初の返済額が最も大きくなり、支払額を事前によく検討しておかないと返済に支障が生じる点です。

ボーナス併用返済・一部繰り上げ返済

この返済方法は、上記の返済方法にボーナス支払や繰り上げ支払を併用して、期間を速めながら返済していく方法を指します。ベースとなる支払方法は元利均等返済か元金均等返済かを選ぶ必要があります。

ローンの保証料・保証事務手数料・団信保険料

ローンの保証料

住宅ローンを組む際に、貸手となる金融機関は貸し倒れのリスクに対応するために、信用保証を付けることを条件としています。信用保証とは信用保証会社による連帯保証であり、住宅ローンの返済が滞った場合に連帯保証人である信用保証会社が住宅ローンの返済を肩代わりして、肩代わりした返済を債務として借手に求めることになります。ローンの保証料とは、住宅ローンの借手に連帯保証人としての保証を付与するための手数料といえます。保証事務手数料は保証契約を結ぶ際の手数料となります。

ほとんどの住宅ローン契約で信用保証が必要となり、保証料は借入金額、返済期間、借手の信用度で決まります。住宅金融支援機構によるフラット35は保証料を必要としない点が大きく異なります。

保証料の支払い方法は、借入時に一括で支払う一括方式と金利に保証料分を上乗せして支払う分割方式があります。一括方式の場合は契約時に保証料を支払い、支払額は返済期間と借入金額で決まります。分割方式の場合、上乗せとなる金利は0.2~0.3%程度です。3000万円の借入額で元利均等返済・期間35年間とすると、分割方式の場合は上乗せ金利0.2%としても120万程度の保証料となります。一括方式の場合は合計でみた保証料は分割方式よりも低くなるように設定されており、前述の条件で概ね60~70万程度に設定されています。

ローンの保証事務手数料

保証事務手数料は住宅ローンであれば一契約あたり3万円程度に設定されているケースが多く、投資用物件では5~10万程度と住宅ローンよりも高めに設定されています。借入金額ではなく、契約あたりの価格設定となっている場合がほとんどです。

信用保証会社は返済出来なくなった場合に保証を肩代わりしてくれますが、借手の債務を引き受けてくれるわけではなく、後で請求が来ますので注意が必要です。日本においては、借手が信用保証会社を指定しており、借手が自由に保証会社を選択することは出来ません。ローンを組成する際に最も大きな費用となるのが保証料であり、金利だけではなく保証料を含めた全体の費用を意識して決める必要があります。

団体信用生命保険料

団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの返済中に、ローン契約者が死亡または高度障害となり返済が困難となった場合に、生命保険会社が、住宅ローン残高に相当する保険金を債権者に支払い完済する制度です。ローン契約の際に団信への加入が基本的に必須となっていますが、多くの場合、団信保険料は貸手が負担しており、借手の負担はほとんどありません。フラット35は保証料が不要ですが、団信保険料は借手負担となっています。

ローン契約の際には団信保険料を誰が負担するのかと、借手負担の場合は保険料に関しても確認しておくべきでしょう。

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