投資用物件なら

投資用物件にかかる購入費用と維持費用を考えてみましょう。

家にかかる諸費用を列挙すると、

  1. 印紙税・登録免許税・不動産取得税
  2. 司法書士費用
  3. 各種保険料
  4. 不動産仲介手数料
  5. ローン金利・保証料・保証事務手数料・団体信用生命保険料

となります。それぞれに関して順に見ていきましょう。

物件例

まず、物件の価格(土地代金、建物代金)と土地面積、建物床面積を知る必要があります。例としては下記のような内容です。

例)中古マンション築20年1LDK:

 価格2500万円

(土地)敷地権面積20㎡・1000万円

(建物)床面積40㎡・1500万円

次に、税金などを考える上で物件における固定資産税評価額を確認する必要があります。固定資産税評価額の算定に関してはこちらをご参照ください。先にあげた例で考える場合、ここでは取引価格の7割と仮定します。

例)固定資産課税評価額:

(土地)1000万円×0.7=700万円

(建物)1500万円×0.7=1050万円

また、投資用不動産なら投資金額あたりの利率を上げるためローンは必須といえます。ローンの条件や期間は住宅ローンとは全く異なるものとなります。ここでは頭金を300万円として2200万のローンを組むと仮定します。

例)借入金:2200万円

投資用不動産にかかる諸費用を列挙すると、「印紙税」「登録免許税」「不動産取得税」「司法書士費用」「各種保険料」「不動産仲介手数料」「ローン金利」「ローン取扱い事務手数料」となります。「保証料」「団体信用生命保険料」に関してはローン金利に反映されるものとして考慮しないこととします。それぞれに関して順に見ていきましょう。

印紙税

マンションを購入する場合、印紙税は不動産売買契約書と金銭消費貸借契約書に対して必要となります。平成30年3月31日までは不動産の譲渡に関する契約書に係る印紙税の軽減措置があり、期間までに契約される方は税率の軽減が受けられます。購入予定の時期を確認して上表からあてはまる金額を割り出します。今回の場合は軽減税率ありで考えます。

  • 不動産売買契約書: 1万円(物件価格4000万円)
  • 金銭消費貸借契約書: 2万円(ローン1000万~4000万円)

二つを合計すると、印紙税は3万円となります。

登録免許税

不動産を購入した際に、土地・建物・抵当権設定の登記に対して課せられます。中古物件の場合、土地・建物は所有権の移転登記となります。課税対象は固定資産税評価額で、土地と建物それぞれに税率が決められいます。抵当権に関しては借入金額が課税対象となります。それぞれの税率は下表のようになります。

土地の移転登記にかかる軽減税率は平成29年3月31日までとなります。相続以外は2.0%の税率となります。今回の場合は2.0%として計算します。

  • 土地の所有権移転登録税: 700万円 × 0.02=14万円

建物の移転登記にかかる軽減税率は平成29年3月31日までとなります。今回は2.0%として計算します。

  • 建物の所有権保存登録税: 1050万円 × 0.02=21万円

抵当権設定登録にかかる軽減税率は、平成29年3月31日までとなります。今回は通常税率で考えます。

  • 抵当権設定登録税: 2200万円 × 0.004=8.8万円

以上、3つの合計が登録免許税額となります。今回の場合は、43.8万円となります。

不動産取得税

不動産の所有権移転に対して課される税金です。所有権の取得後に契約が解除された場合でも、所有権移転が生じていれば課税対象となります。課税対象は固定資産税評価額で、土地と建物それぞれに税率が決められいます。それぞれの税率は下表のようになります。

投資用不動産を購入する場合、土地と建物の不動産取得税に軽減措置は適応されません。土地の不動産取得税率は3%となっていますが、こちらは平成30年3月31日までの軽減措置であり、通常は4%(非住宅と同様)となります。今回は土地に関しては軽減措置ありとして計算します。

  • 土地の不動産取得税: 不動産取得税:700万円 × 0.03 = 21万円

この場合、土地の不動産取得税は21万円となります。

建物の不動産取得税は投資用として購入した場合は、軽減措置は適応となりません。通常税率である4%で計算されます。

  • 建物の不動産取得税: 1050 × 0.04 = 42万円

以上、土地と建物の不動産取得税は合計で、63万円となります。

司法書士費用

2013年に日本司法書士連合会が行った報酬に関するアンケート調査で各地区ごとの低額者平均、全国平均、高額者平均報酬が公表されており上表に示します。

上記は固定資産税評価額1000万円、抵当権1000万円あたりの金額であり、評価額、抵当金額に応じた上乗せが必要となります。一般に司法書士費用は10~15万円程度といわれており、今回のケースでは15万円と算定します。

各種保険料

投資用不動産の場合、所有者は物件が被害を受けた際に建物の補償が必要となります。また、水漏れなどで入居者に被害を及ぼした場合を想定した賠償責任の特約や、建物が復旧し家賃収入が得られるようになるまでの家賃補償の特約も重要です。入居者が引き起こしたトラブルについても対応する必要がありますが、こちらに関しては借家人賠償責任補償・個人賠償責任補償の契約をしてもらうことで対応できます。

投資用不動産では火災保険は個別の物件によって開きがあり算定が難しいですが、今回は、関東地区・建物1500万円・地震保険付帯・賠償責任特約付帯・家賃補償特約付帯として10年間で物件価格の0.5%として算定します。

  • 火災・地震保険: (10年間で)2500 × 0.005 = 12.5万円(長期契約割引含む)

ここでは、まとめて10年分を支払うとして13万円程度となります。

不動産仲介手数料

不動産仲介手数料は、仲介業者を介した取引の場合にのみ必要なり、契約が成立した時点で支払い義務が生じます。仲介手数料は上限を「取引額の3%+6万円(税抜)」として各社が設定しています。

中古住宅の場合、代理販売や仲介販売の形をとっており仲介手数料は買主に請求しているため、仲介手数料が発生します。仲介手数料は上限額として算定します。

  • 不動産仲介手数料: (2500万円 × 0.03 + 6万円)× 1.08 = 87.48万円

以上、今回のケースでは不動産手数料は端数を捨てて87.5万円となります。

ローン金利・ローン取扱い事務手数料

  • 住宅ローンと異なり不動産投資での融資は変動金利型と固定金利期間選択型となります。商品としては銀行ローンが主体となり、ローンの返済方法は、毎月の支払総額が一定で収支計画が立てやすいため元利均等返済が選択されます。元金均等返済は例外的扱いとなります。繰上返済を認める場合は違約金を求められると思われます。

住宅ローンを組む際にかかる信用保証会社の保証料や団信保険料は必要ない場合がほとんどです。事務手数料はローン取扱手数料として1件あたり5~10万円(税抜)程度が必要となります。

ローンに関連する費用を算出するには、借入金額、金利固定期間、返済期間を決めて商品を選ぶ必要があります。投資用ローンの際は借手の信用度も大きく関わってきます。

  • 借入金: 2200万円
  • ローン金利: 3年間1.95%、4年目以降は変動金利(現行金利2.5%)
  • 返済期間: 20年間
  • ローン取扱い事務手数料: 108,000円

購入時の費用ではありませんが、大きな支出としてローン金利があります。上記の条件で変動金利が2.5%で推移すると過程して通算費用を計算すると、下記のようになります。

  • ローン金利負担分(通算): 560万円
  • 月々の支払額(3年間・4年目以降): 11.1万円・11.6万円

以上合計すると、購入時にかかるローン関連費用は、概ね10万円となります。

ローン全体を通してかかる費用の合計は、570万円程度となります。

その他

投資用不動産を運用していく上では、毎年の維持費として返済ローン以外に「管理費」「維持費」「広告費」「修繕費」「大規模修繕費」「固定資産税・都市計画税」などが含まれます。

  • 管理費:家賃集金などを行う管理会社へ支払う管理料です。賃料収入の3~5%程度が相場となります。
  • 維持費:共用部分の光熱費や清掃代、消防点検、エレベーターのメンテナンス料などが含まれます。共用費として入居者より家賃と合わせて請求する場合もあります。
  • 広告費:空室となった際に入居者を募集する広告費がかかります。賃料収入の5~7%程度が相場となります。
  • 修繕費:入居者の入れ替えなどの際に行う修繕、清掃などの費用。1回の入れ替えで物件価格の0.5~1%程度が相場となります。
  • 大規模修繕費:外壁の塗装、給排水設備のメンテナンス、屋上の防水処置などのマンション全体の修繕にかかる費用。修繕積立金を定期的に支払う必要がある。年間にすると0.5%程度が相場となります。
  • 固定資産税・都市計画税:毎年、固定資産税評価額に対して、固定資産税1.4%、都市計画税0.3%の税金が課せられます。建物の固定資産税評価額は減価償却に該当する減額があります。

まとめ

投資用不動産を購入する際の諸費用は自宅用物件を購入する場合と異なり、軽減税率の適応を受けられません。今回のケースでは、購入時に240万円程度がかかることとなり、物件価格の1割に及びます。また、毎年の維持費もかなりの額が必要となり、返済金利も住宅ローンと比較すると不利です。

不動産投資を行う場合は、金利や税金、各種維持費をしっかりと計算しないとキャッシュフローでプラスに転じることは難しく、さらに投資として成功するためには売却費を可能な限り上げることが求められます。